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新型コロナウィルス感染拡大(以後COVID-19とします)とキャットショー11

  • 2020/03/12 06:59

COVID-19とキャットショー11

 昨日WHO テドロフ事務局長は「COVID-19」はパンデミックと表明。今後も感染者と死者は増えるとの見通しを示しました。

 現在行われている私たちのキャットショーは、1,換気の悪い密閉空間 2,長時間人が密集 3,至近距離での会話などクラスター発生の温床となる条件を見事に満たしているといえましょう。暖かくなって終息するという見通しもなく、今後も感染が広がり続けるようであれば、キャットショーに係わる私たちはキャットショーの形態を考え直さなければならないかもしれません。Judge's ML (ジャッジ メイリングリスト)にも私の意見を投稿したところ、何人かのジャッジ達が関心を持って下さって、イギリスやオーストラリアで行われているショーの形態を教えて下さいました。かなり興味深い条件がそろっていて、私は参考にしたいと考えています。ただ、このAsia rigionで問題になるのは、このような斬新なアイディアがあっても話し合える環境がないことです。今、翻訳をお願いしている状況なので、詳細がわかったらまたお知らせしたいと思います。その時には、関心をお持ちの方々と話し合い、内容を詳しく検討していきたいと考えています。

 

新型コロナウィルス感染拡大とキャットショー10

  • 2020/03/08 17:48

エントリーの立場から その三(Cさんのケース)

 猫のブリーダーであれば、キャットショーは自身の繁殖した猫がどのくらいスタンダードに沿っているかどうか、また他の猫種と比べてどこまでその完成度が達しているかを見極めるきわめて重要な「場」であると思います。Kittenは4ヶ月から8ヶ月未満、エントリーできる期間はわずか4ヶ月に限られます。また、チャンピオンシップでも、1歳か1歳半くらいの若い時期が最も美しいという猫種もいます。従って年間のキャットショーカレンダーが発表されるとショーの期日にあわせてエントリーの計画を立てて準備を整えます。従ってクラブはよほどの事情がなければショーキャンセルは出来ません。これまで“よほどの事情”に該当したケースとしては、9年前の2011年3月11日、まもなく11年目を迎える東日本大震災がありました。それでもキャットショーはすぐに再開されるようになりましたが、今回のこの新型コロナウィルス感染拡大は果てしもなく広がっていき、次々にショーが中止されています。

 昨年、久しぶりに良いタイプの男の子が生まれました。ショーカタログをつぶさに検討、このクラブ、こジャッジと定めてスケジュールを調整、グルーミングも始めてピカピカに磨き、ほれぼれ! ほとんどというより全くの自己満足、盲目的な猫愛、Aさんがお書きになっていましたが、確かにブリーダー、オーナーはエゴの塊のようなもの。。。

 ところが、この新型コロナウィルスによる感染拡大により、政府からは3月15日まで自粛要請が出されました。開催クラブがどのように対処するか、はっきりするまでの期間、迷うことなく、エントリーできるはずはないと思いながら、それでもショーが開催されるとなるとむずむずと気持ちが騒ぎます。感染したらどうなるのと自問自答し、客観的には当然のこと、中止にならなければならないとは思いながら、でも自慢の我が子を見せたい、ちょっとした褒め言葉でもいただきたいと、いつまでもグズグズと迷っていました。やっとクラブが開催中止の判断を表明して下さって、残念とは思いましたがほっと安堵したのも事実です。キャットショーはある意味「ドラッグ」のようなもので、危険であったりオーナー、ブリーダーの自己満足に過ぎないとわかっていても自分から見送ることはなかなか出来ないものです。中止に踏み切られたクラブオーナーの方々にとっては苦渋の決断であったと思いますが、中止を決意して下さって感謝しています。

4月には毎週末4クラブのショーがはいっていますが、1クラブは6月に延期、1クラブは政府からの自粛要請他いくつかの状況を見極めた上で開催か中止かを決定するとのことで、それ以外の2クラブの方向性は全くわかりません。「キャットショーはドラッグのようなもの」であることを踏まえて、それぞれのクラブがどのように対応して下さるか、経過を見てゆきたいと思います。

 

新型コロナウィルスの感染拡大とキャットショー9

  • 2020/03/05 22:47
エントリーする方の立場から、お二方から貴重なご意見をいただきましたのでご紹介させていただきます。

その一(Aさんのケース)
 
正直、今の状況は自分のエゴとの葛藤です。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と言う気持ちと、この現在の状況は自分や猫達の未来を考えれば石橋を叩きすぎるほどに慎重でなければならない思いとの間で揺れています。
 
ショーが二つ中止になってくれて良かった、と言うのが正直な思いです。自分自身で判断して決めるべき事象を、他力本願な形に依拠している自分に苛立ちと情けなさを感じてはおりますが。
 
今の状況の中で、ショーを開催されるクラブには、参加される方も多くいらっしゃるのではと思います。アワードやタイトルと言うこと含め、目に見える形を追う方が、目に見えない物への恐怖や不安を抱えて過ごすより楽なのではと思います。前回、名古屋のショーに行った時は正直ずっと不安でした。自分の通常の居住区を離れ、病気になったら、どうしようと。早い話が、「今の勤務先での罹患一号」とか、「キャットショーで罹患!」とか。自責の念と、自分の自己防衛意識の低さ、ひいては村八分的な扱いを受けるかもしれない状況が頭の中に渦巻いていました。
 
ショー関係者の方々には本当に頭の痛いことだと思います。ショー主催側の判断もさる事ながら、「出陳しない」と言う選択肢をわれわれも今一度考えるべきと思います。例えば、アワードのために頑張る事は、命をかけることに値するのでしょうか?猫達にとっては全くどうでも良いことなのは確かです。
 
罹患しないでこの状態を抜け切れれば、実はそれは運が良いことだったのだと思います。罹患して、治って「あの時は無茶をしてしまった」と言う事は、後年、笑い話にはならないと思います。まして伝染性の病気。他所様の命にまで関わる事象は避けるべきと思います。
 
主催者側の判断に自分の生を任せるのでは無く、出陳者一人一人が自分で決定する必要があると思います。
 
もう、自分のエゴとの闘いなのだと思います。
 
その二(Bさんのケース)

出陳者の立場としての感想として。
 
①出陳者の立場からクラブに対しては…
 ・「どのような検討をしているのか、タイムリーに知らせてほしいです。突然、中止を告知されても困るし、中止するような雰囲気の中で、唐突にやっぱり『やります』というのも困る」
 ・「ショーに参加するかしないか、出陳者の自己責任という人もいるが、それはちょっと違うと思う。自己責任論を全面的に否定するつもりはありませんが、今回のようなケースは出陳者ひとりひとりが判断できるようなことではないことを理解してほしい」
 ・「クラブの判断なのかもしれないが、あるクラブは中止で、あるクラブは開催といったことが起きるようなことがないようにしてほしい」
 ・「中止するなら、どうして中止にするのか。中止しないで開催するなら、どうして中止しないのか。はっきり説明してほしい」
 
②出陳者の立場からRDやTICA本部に対して
 ・「先手先手で、どういう場合には中止になり、どういう状態なら中止しないのか、明確な方針を示してほしい」
 ・「こういう時にこそ、TICA会長は世界のメンバー向けにメッセージを出してほしい」
 ・「臨時のNEWS LETTERを出してほしい」
 ・「中止か否かを個々のクラブの判断に任せっきりにするのではなく、RDとしての方針を示してほしい。その方針に基づけば、中止なのか開催なのか、一般の出陳者が分かるようにしてもらいたいです」
 ・「日本にはCFAという団体もあり、『CFAの方がしっかり対処している』と思われないようにしてほしい」
 

 

新型コロナウィルスの感染拡大とキャットショー8

  • 2020/03/05 05:48

日本相撲協会は新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため8日から大阪で始まる大相撲春場所を無観客で開催すると発表。また、日本高野連は19日から13日間甲子園で開かれる選抜高校野球大会の通常開催を断念し、無観客での開催を前提に準備を進めることを発表。いずれも前代未聞のことです。が、いずれも関係者が専門家を交えて話し合いに話し合いを、議論に議論を重ねて決定したことであるようです。大事なことは、無観客を決定するのに、この関係者の話し合いという重要な経過をきちんと踏まえている点です。キャットショーに関して考えてみると、3月4月に予定が入っている各クラブのショーが開催されるのか、中止されるのか、開催するとなればどのような感染予防策を講じて開催するのか1クラブだけの問題ではなく、リジョン全体で話し合い考えていかなければならない時期を迎えているのではないかと思う一方、もう遅きに失したのではないかとの疑問も生じています。クレドではこの問題を7回にわたり取り上げてきましたが、クラブの事情に加えてエントリーするオーナーさん達のお考えもいただきたいと、今、何名かの方達にお願いしているところです。その後にはジャッジの立場から、私も意見を述べさせていただくつもりです。

 

現在エントリーしている方々、かつてショーエントリーを経験した方、アワードキャンペーンを経験した方達など、キャットショーに係わってきた方達のご意見が是非いただきたいです。もし、皆様からいただくご意見の中から、キャットショー開催を予定しているクラブにとって参考になるご意見があればと願いますし、少しでも何かしらの方向性がそこから見えてきたらと切に願うものであります。お名前は伏せて掲載いたしますのでご協力をお願いいたします。(トモナリ)

 

hikoma@credo.jp

 

新型コロナウィルスの感染拡大とキャットショー7

  • 2020/03/04 06:37

新型コロナウィルスの感染拡大とキャットショー7

 

前回はキャットショーを開催するクラブの立場をお話ししましたが、特に東京から離れた土地でのショーにはさらに大きな問題が生じるでしょう。例えば、あるクラブでは招待ジャッジの多くは飛行機を利用しなければならないため、クラブは早くからフライトチケットを用意しなければなりません。また、エントリーするオーナーさんたちもかなり早めにチケットは購入するそうです。もしショーをキャンセルにする場合は、クラブはジャッジさん達のチケット代、エントリーした方達のチケット代を全額負担しなければならないかもしれません。莫大な金額になることは間違いありません。今回のようなウィルスによる感染の危機などいったい誰が想像し得たでしょうか。主催クラブの立場に立った時、開催か中止か、非常に難しい選択になりますが、大阪のライブハウスからクラスターが発生した経緯を見ると、風通しの良くない室内で長時間至近距離で人と人の接触があったことが大きな要因としてあげられています。オープンスペースで行う以外のキャットショー会場はこの環境に当てはまりはしないでしょうか?

 

1クラブだけの問題でなく、これはやはりリジョン全体の問題として話し合いが必要なケースではないかと憂慮します。

WHO は「日本など4カ国が最大の懸念」とし、世界各地で日本人「入国禁止」が広がり始めている現状を厳しく受け止めなければなりません。