新型コロナウィルス感染拡大とキャットショー10
- 2020/03/08 17:48
エントリーの立場から その三(Cさんのケース)
猫のブリーダーであれば、キャットショーは自身の繁殖した猫がどのくらいスタンダードに沿っているかどうか、また他の猫種と比べてどこまでその完成度が達しているかを見極めるきわめて重要な「場」であると思います。Kittenは4ヶ月から8ヶ月未満、エントリーできる期間はわずか4ヶ月に限られます。また、チャンピオンシップでも、1歳か1歳半くらいの若い時期が最も美しいという猫種もいます。従って年間のキャットショーカレンダーが発表されるとショーの期日にあわせてエントリーの計画を立てて準備を整えます。従ってクラブはよほどの事情がなければショーキャンセルは出来ません。これまで“よほどの事情”に該当したケースとしては、9年前の2011年3月11日、まもなく11年目を迎える東日本大震災がありました。それでもキャットショーはすぐに再開されるようになりましたが、今回のこの新型コロナウィルス感染拡大は果てしもなく広がっていき、次々にショーが中止されています。
昨年、久しぶりに良いタイプの男の子が生まれました。ショーカタログをつぶさに検討、このクラブ、こジャッジと定めてスケジュールを調整、グルーミングも始めてピカピカに磨き、ほれぼれ! ほとんどというより全くの自己満足、盲目的な猫愛、Aさんがお書きになっていましたが、確かにブリーダー、オーナーはエゴの塊のようなもの。。。
ところが、この新型コロナウィルスによる感染拡大により、政府からは3月15日まで自粛要請が出されました。開催クラブがどのように対処するか、はっきりするまでの期間、迷うことなく、エントリーできるはずはないと思いながら、それでもショーが開催されるとなるとむずむずと気持ちが騒ぎます。感染したらどうなるのと自問自答し、客観的には当然のこと、中止にならなければならないとは思いながら、でも自慢の我が子を見せたい、ちょっとした褒め言葉でもいただきたいと、いつまでもグズグズと迷っていました。やっとクラブが開催中止の判断を表明して下さって、残念とは思いましたがほっと安堵したのも事実です。キャットショーはある意味「ドラッグ」のようなもので、危険であったりオーナー、ブリーダーの自己満足に過ぎないとわかっていても自分から見送ることはなかなか出来ないものです。中止に踏み切られたクラブオーナーの方々にとっては苦渋の決断であったと思いますが、中止を決意して下さって感謝しています。
4月には毎週末4クラブのショーがはいっていますが、1クラブは6月に延期、1クラブは政府からの自粛要請他いくつかの状況を見極めた上で開催か中止かを決定するとのことで、それ以外の2クラブの方向性は全くわかりません。「キャットショーはドラッグのようなもの」であることを踏まえて、それぞれのクラブがどのように対応して下さるか、経過を見てゆきたいと思います。