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ジャッジのお仕事

  • 2013/10/24 07:17

昨日、「クレド18年の歩み」を書こうと思い立ってみると、ジャッジ歴25年(実はTICAに登録されていなかった分も含めるともっと多くなります。)、無駄にはお仕事をしてこなかったかな? まず、ジャッジというお仕事はキャットショーでただ順位をつけるにとどまらず、その与える順位に託して、実は多くのメッセージを伝えているのです。ジャッジ台の上で、エントリーされた猫たちは多くのことを語ってくれます。ジャッジは審査控えケージから猫を出して審査台の上に置くまでの間に、その猫の発する言葉を受け止めなければなりません。ファーファーと怒っていても、それがどのような感情から来ているのかを見極めなくてはならないし、その様な子に対しては審査も考慮して行う必要があります。また、身体の状態を見て繁殖の過程になにか問題があるように見て取れる場合はオーナーさんへのアドバイスもしなければならない、そして、なによりジャッジの最も大きなお仕事としてはその猫種のスタンダードに多く関わっていくという責任重大な面を忘れてはなりません。ジャッジがどのような猫をファイナルに残すか、またその猫をどう評価するか、それはブリーダーさんにとって繁殖の方向性を決定する大事な大事な「選択」であるし「説明」になるわけです。ともすれば見栄えのするエキストリームな猫をファイナルにと残しがちですが、そこに生じる繁殖上の危険をもジャッジはわかった上で「選択」し「説明」しなければならない。ジャッジの選択は猫種を健康に維持していく上で非常に重要な責任を負うのです。もし、「ジャッジは教えているわけではない」と考えている方がいるとしたら、そこには健康な猫種存続の大きな危険があるとご注意あれ! ジャッジは猫種存続にとって大切なことを、審査を通じて「教えていく」、それが大切なお仕事なのです。


 

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