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小国寡民

  • 2020/03/30 00:37

3月20/21/22日の3連休中に大阪-兵庫間の行き来自粛要請が出されたのに続いて、28/29日には東京と東京に隣接県の行き来自粛の要請が小池都知事、及び4県の知事から出されました。

 

私のFacebook でも記しましたが、紀元前500年中国の春秋時代において、老子の「小国寡民」はこのような状況を見据えていたのでしょうか。

 

道家の思想を始めた老子が無知無欲のままに人知人為を否定し、自然のままに生きていこうと説いた思想です。現在の人知人為の「進歩」がかえって人類の生存そのものを危機に追い込んでいることから見るとこの思想にも共感できるところが多いように思えます。

 

小国寡民
使有什伯之器而不用。
使民重死而不遠徙、雖有舟輿、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。
使民復結縄而用之、甘其食、美其服、安其居、楽其俗、隣国相望、鶏犬之声相聞、民至老死、不相往来。
(独立第八十)

小さい国で、国民も少ない(のが理想的である)。
いろいろな器具があっても、使わせない。
国民たちに命の大切さを考えさせ、遠くへ移り住みたいと思わせないなら、車と小舟があっても乗っていくことなく、鎧と武器があっても、並べ(て戦争す)ることがない。
国民に、再び縄を結んで約束の印とするようにさせ(そのような古代の生活に立ち返らせ)、食事をおいしく、服を美しいと思い、住まいに満足し、風俗を楽しませれば、隣国同士お互いに見渡せ(る近さで)、鶏や犬の声がお互いに聞こえる近さでも、人々は年老いて死ぬまで、お互いに行き来しようとしない。

 

 

 

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