猫種の不思議な関係

~猫種同士のこんな関係ご存じですか~

 すらりと伸びたしなやかなボディー、大きく開いた耳、美しいブルーの眼、細い鞭をおもわせる尾、ボディーカラーと美しいコントラストを見せるポイントを持ったサイアミーズ。かたや漆黒のつややかな黒豹の化身のようなボンベイ。全く違う異なったタイプの猫種ですね。でも、こんな関係があるのです。

サイアミーズ

サイアミーズ <Ow : 中川由美子>

トンキニーズ 

トンキニーズ <Ow : 割田サト子>

バーミーズ 

バーミーズ <Ow : 岡田真幸>

シールポイントのサイアミーズの耳の先・手足の先端・尾のシールのポイントカラーをよくごらんください。このシールというカラーはバーミーズのボディーカラー(セーブルまたはシールセピア)とよく似ています。それから少し薄くしてみるとトンキニーズのカラー(ナチュラルミンク)にも似ているでしょう?

トンキニーズはサイアミーズとバーミーズとの交配によって生まれた品種です。サイアミーズほどスリムではなく、といってバーミーズほどコビーではなく、ちょうど中間をとった体型・カラーをもって生まれてきたのがトンキニーズ。ですからトンキニーズにもサイアミーズと同じように耳・手足・尾の先端には明確ではありませんがポイントカラーがあります。

バーミーズの祖先であるワォンマウの写真を見ると、このトンキニーズによく似ています。トンキニーズによく似た中間色のワォンマウとサイアミーズをアウトクロスしながらバーミーズはその種を確立させたのです。ですからバーミーズにはサイアミーズのポイントカラーと同じボディーカラーがでても不思議ではないのです。

バーミーズ

バーミーズ <Ow : 渡辺温子>

ボンベイ

ボンベイ <Ow : Kiki Yamamoto>

アメリカンショートヘアー

アメリカンショートヘアー <Ow : 海野由香里>

次に、今度はセーブルのバーミーズとブラックのアメリカンショートヘアーを交配してできあがったのがボンベイです。バーミーズのつややかなコート、大きな眼、コビーなボディーにアメリカンショートヘアーのブラックが入ったことで、ボンベイのあの漆黒の黒豹のような美しいコートカラーができあがりました。アイカラーもバーミーズよりも数倍濃いカッパーがコートカラーとのコントラストを際だたせています。

サイアミーズからバーミーズ、サイアミーズとバーミーズでトンキニーズ、バーミーズとアメリカンショートヘアーでボンベイと、こんな関係が隠れていたのです。

では、それぞれの性格はどうでしょう?

サイアミーズはとても賢いことが知られています。
何事につけても意志をもって行動するタイプといえるでしょう。また、その鳴き声はとても大きく時にオーナーさんを悩ませることもありますが、それも自分の存在をアピールするための大切な行動なのかもしれませんね。

トンキニーズはタイプが中庸です。
ので、性格もサイアミーズとバーミーズのちょうど中間といえるでしょう。賢いところはサイアミーズ、愛情深いところはバーミーズ。明るくてとても可愛らしい性格です。父猫は子猫の面倒をよくみます。

バーミーズはなんと言ってもその愛情深さが身上といえるでしょう。
愛されることが大好きで、また自分自身も愛情表現がとても上手です。ごくごく軽くお鼻を噛んであげると、同じようにこちらのお鼻をカシュカシュと軽く軽く噛んでその後優しくなめてくれます。「いらっしゃい・いらっしゃい」と呼ぶと一斉に集まってきて「なぜて・なぜて」とせがみます。不思議なことにバーミーズは群れ行動をとるのです。遊ぶのも上手で、見ていると楽しくてあっという間に時がたってしまいます。甘えん坊なので1頭飼いには向かないでしょう。

ボンベイやはりバーミーズと同じような性格で、愛情深い猫です。
人と一緒が好きで、よく食べよく寝るのんびりした性格とブリーダーさんは話してくださいました。

アメリカンショートヘアーはワーキングキャットの代表ともいえる猫です。
コマネズミのようによく働く働き者さんなんだろうと思いますが、実際は静かな穏やかな性格で、ゆったりとくつろいでソファーの上に寝ているようなことが多いそうです。

 


オーナーさんのコメント 「こんなところに一目惚れ」

バーミーズ

バーミーズ <Ow : 渡辺温子>

 大きい目に口元がペケポンのようになっていてまゆげのところは、毛が薄いので一見、ハゲのようにも見えるけど、そこがまたかわゆくてたまらない不思議な不思議な猫です。もっとバーミーズで感動したのが、すごく人間好きなとても可愛い性。バーミーズは、バーミーズ同士で、いつも行動を共にしています。チョコボールのようなのが、うろうろしてるのを見てるだけで「かわいい~!」。バーミーズ団子、ほんとに可愛いですよぉ。


アメリカンショートヘアー

アメリカンショートヘアー <Ow : 海野由香里>

アメリカンのどこに惹かれたか と言うのは、カラー、パターン、そして日本猫のように飼い易そうなところでした。飼い始めてからは性格にも惚れてしまいましたが・・・。
声も小さく、犬のように甘えん坊で、肩に乗ったり、膝の上で寝てしまったり、頭をゴッツンコしてきたり、とにかく愛嬌があり 主人と共に完全にはまってしまっています。


左ボンベイと右バーミーズ

ボンベイ / バーミーズ <Ow : Kiki Yamamoto>  

漆黒のコートに包まれたしなやかなボディ、大きく見開かれた眼は年代物のブランディを思わせる美しい琥珀色。ボンベイを飼うことは密かな贅沢を楽しむこと・・・